騒音があっても眠れるようになった方法

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〈1〉はじめに



 私は長年、早朝から始まるご近所の洗濯機の騒音に困っていました。

音が始まると目がぱっちり覚めてしまい、二度寝しようにも音が気になって、しばらく眠れなくなってしまうのです。

振動音なので、耳栓をしてもうっすら聞こえてきます。

 騒音は毎日ではありませんでしたが、忘れた頃に起こるので、余計にストレスに感じていました。

 マンションを管理している会社にお願いしても、張り紙をしていただくのがやっとでした。

しかし、そのおかげで明け方などの早すぎる時間帯の騒音は減りました。

それでも、ときどき朝早くからその騒音がすることがあります。

 ですが、こちらもいろいろと対策を試した結果、「毎回騒音が終わるまで眠れない」から「騒音がしていても再び眠れることが多くなった」という状態になり、「とても大きな悩み」から「小さな悩み」に変わりました。

 今回はその解決方法を皆さんにシェアしたいと思います。

ざっくり言うと、騒音と同じ周波数の音を流して騒音を目立たなくします。

具体的なやり方を見ていきましょう。


〈2〉騒音の周波数を測定する


 まず、スマホにアプリをインストールし、騒音の周波数を測ります。

使用したアプリはこちらです。

〈2-1〉iPhone、iPad、iPod touch向け 「Sonic Tools SVM

 Rikki Systems Inc.
 無料
 iOS 12.0以降が必要
 App Storeプレビュー
 https://apps.apple.com/jp/app/sonic-tools-svm/id1245046029
(2024年4月1日閲覧時点)

    使い方
  1. 騒音がしているときに、アプリを起動します。
  2. 画面一番下の5つのアイコンのうち、一番左の「音声スペクトル」が選ばれていることを確認します。
  3. 騒音が鳴っている瞬間に、赤い波形の特定の部分が他より高くなり、黄色の十字マークと周波数(Hz)と音の大きさ(dB)が表示されます。この周波数をメモします。

※数字が見えにくい場合は、画面を1度タップすると、計測が一時停止し、画面が静止画になります。もう1度タップすると、また計測が再開されます。

(上記アプリに関してのお問い合わせは、販売元様にお願いいたします。)


〈2-2〉Android向け 「Spectroid

 Carl Reinke
 無料
 Google Play
 https://play.google.com/store/apps/details?id=org.intoorbit.spectrum&hl=ja&gl=US
 (2024年4月1日閲覧時点)
(余談ですが、こちらのアプリだと音が視覚的に表されているので面白いです。)

    使い方
  1. 騒音がしているときに、アプリを起動します。
  2. 騒音が鳴っている瞬間に、黄色い波形の特定の部分が他より高くなり、青の丸と周波数(Hz)と音の大きさ(dB)が表示されます。この周波数をメモします。

※数字が見えにくい場合は、画面を1度タップすると、計測が一時停止し、画面が静止画になります。もう1度タップすると、また計測が再開されます。

(上記アプリに関してのお問い合わせは、販売元様にお願いいたします。)


〈3〉騒音と同じ周波数の音を用意する


 騒音の周波数がわかったら、今度は同じ周波数の音を用意します。周波数は「Hz」という単位で表されているものです。

〈3-1〉YouTubeで探す


 YouTubeで、欲しい周波数を単位「Hz」をつけて検索します。
(例えば「117Hz」など)

 検索結果の中から必要な周波数の動画を、Youtubeの「後で見る」「再生リスト」(※1)、スマホなどのブラウザ(※2)「お気に入り」などに集めておき、すぐ再生できるようにしておきます。

※1 ...Youtubeの場合、ログインするとこれらの機能が使えます。
※2…「Google Chrome(グーグルクローム)」や「Safari(サファリ)」などのインターネットブラウザ

動画を探すときの注意点


 動画のサムネイルや説明に「〇〇Hz」と書いてあるものでも、実際に再生して音をアプリで計測してみると、数Hzズレていることがあります。

ですので、動画が求めている周波数のものか、一度アプリで計測して確かめるのがおすすめです。

 それと、実際に騒音と同時に流したときに、騒音が目立たなくなるものとそうでもないものがあります。

ですので、違う動画チャンネルの動画や、1~2Hz違いのものなどをいくつか準備しておくこともおすすめです。

 動画の長さは、お困りの騒音の状況に合わせてご用意ください。

例えば洗濯機の騒音の場合なら、1時間あれば十分です。

 また、Wi-Fi接続をしていない場合にYoutubeを使用すると、スマホのデータ通信量を消費しますのでご注意下さい。

 音を鳴らす際にデータ通信量を消費したくない場合や、欲しい周波数の動画には頻繁に広告が入る動画しかないときや、ちょうど良い長さの動画がないときなどは、次の方法が良いでしょう。


〈3-2〉トーンジェネレーターアプリを使う


 トーンジェネレーターという特定の周波数を発生させるアプリがたくさんありますので、お好きなものをインストールします。

 今回は無料で使えるアプリをご紹介します。

・iPhone、iPad向け 「sine wave

 Yuji Yanase
 無料
 https://apps.apple.com/jp/app/sine-wave/id1118935547
(2024年4月13日時点)

    使い方
  1. 画面の一番下の3つのアイコンのうち、一番右の「Direct」を選びます。
  2. 4つ並ぶ「ON/OFF」ボタンのうちお好きな行を選び、「ON/OFF」ボタンの右側のエリアをタップします。(「Frequency」でも「Volume」でも、数字のあたりでも大丈夫です。)
  3. 出てきた入力画面で、「Frequency」の数字の欄に、騒音の周波数と同じものを入力します。「Volume」は初めから入力されている「10000.0」のままで大丈夫です。
  4. 「Done」をタップすると、前の画面に戻ります。
  5. 入力したはずの行に変化が見られない場合は、画面一番下の3つのアイコンの「Touch」か「DTMF」をタップし、また一番右の「Direct」のアイコンをタップして元の画面に戻ると、数字に入力が反映されていると思います。
  6. 入力した行の「ON/OFF」ボタンをタップして「ON」にします。
  7. 念のため、スマホの音量を小さめにしてから、画面下の方の左側にある「Sound On」ボタンをタップします。
  8. 音を止めるには画面下の方の右側「Sound Off」ボタンをタップします。

(上記アプリに関してのお問い合わせは、販売元様にお願いいたします。)


・Android向け 「Multi-Frequency Tone Generator

 Roman Spiridonov
 無料
 https://play.google.com/store/apps/details?id=net.audiotuner.tonegenerator&hl=ja&gl=US
(2024年4月13日時点)

    使い方
  1. 画面中央の「Frequency(Hz)」の枠内をタップします。
  2. 騒音の周波数と同じものを入力し、「Frequency(Hz)」の枠以外のエリアをタップします。すると数字の入力画面が消えます。
  3. 念のため、スマホの音量を小さめにしてから、画面下の方の「▷(再生)」ボタンをタップします。

※「▷(再生)」ボタンの左にある「~」ボタンをタップすると、音の波形を選ぶことができます。初めは一番音が小さい「SINE」に設定されています。上から2番目の「SQUARE」と「SAWTOOTH」は、音がかなり大きくなりますので、これらを選ぶ際はスマホの音量に注意してください。

(アプリに関してのお問い合わせは、販売元様にお願いいたします。)


〈4〉騒音がしたら用意した音を流して試す


 騒音がし始めたら、集めた動画をいろいろ再生してみて、騒音が不快でなくなるものを選びます。

 ちなみに、低い周波数で試した際、同じ動画でもスマホの機種によって音の聞こえ方に違いがありました。

iPhone SE第3世代では騒音が目立たなくなったのに対し、iPhone 7では騒音が際立って聞こえてしまいました。

 ですので、この方法を試してみて騒音を目立たなくできなかった場合は、別のスマホで試したり、別の制作者の動画を試したり、周波数を少し変えてみたりすると、うまくいく場合があるかもしれません。

 ちなみに私(洗濯機の騒音)の場合、この方法で音を流していると、裏で騒音が鳴っているのかどうか分からないくらい目立たなくなります。


〈5〉実際に騒音に使用して寝る


 ここまで来たら、後は簡単です。

スマホを手の届く所に置いて寝て、騒音で目が覚めたら動画やアプリの音を再生し、再び眠ります。

 残念ながらこの方法を使っても眠れないときもあります。

そのときはさらに耳栓を使ったりします。

それでも眠れないときは、体調や他の要因によるものだと諦めています。


〈6〉なぜ効果があるのか


 この方法を使うと、騒音と同じ周波数の音が流れているはずなのに、なぜ眠れるようになるのでしょうか?

以下は私の考察です。

 例えば、騒音源が洗濯機の場合、モーター音が3秒して2秒音が途切れるなどの繰り返しです。

この状態を上記の「Spectroid」というアプリで計測したときの様子を、イラストで簡単に表すと以下のようになります。


下半分に入っている縦の点線が、音が途切れ途切れになっていることがわかります。

 この状態は、頭では「すぐまた次の音が来る」と分かっているはずなのに、体は「次にいつ音が鳴るか」と身構えて緊張してしまいます。

しかし、ここに騒音と同じ周波数の音を流すことで音の隙間を埋め、ずっと同じ音が鳴っている状態にします。


下半分に入っている縦の線が一直線になり、音が途切れずに聞こえていることがわかります。

すると、身体が身構える必要が少なくなり、また眠ることができるようになるのだと考えています。

 これがもし照明の問題だったら、不快さがもっと分かりやすいでしょう。

2~3秒ごとに明かりが点いたり消えたりを繰り返していたら、とてもじゃありませんが気が休まりませんよね。

でも、もうひとつ別の照明を点けてあげたら、もともとの照明がチカチカしていても、不快さはマシになるでしょう。


〈7〉騒音の問題解決とは


 今回ご紹介した方法は、井上勝夫さんの『マンションの「音のトラブル」を解決する本』を読んで思いついたものです。

こちらの本には、他にも騒音に関することが色々書かれていますので、お困りの方は一読されることをおすすめします。

 この方法を使うようになってからは、騒音で目が覚めてもまたすぐ眠ることができるので、以前ほどイライラしなくなりました。

以前は騒音で目が覚めてしまうたびに、はらわたが煮え繰り返る思いでした。

何度も騒音元に怒鳴り込みに行くことや、訴えることを考えました。

証拠を残すために、役所で騒音計を借りて計測してみたこともあります。

しかし、自分には騒音と思える音でも、騒音と認定されるには小さかったのです。

 井上勝夫さんの本にも、騒音問題で訴訟を起こしても、勝つことはなかなか難しいと書いてありました。

 ネットで検索しても、「どんなに騒音に腹が立っても、トラブル防止のために騒音源の住人に直接注意するのは避けた方がよい」とか、「マンションなら、まずは管理会社や自治会の役員さんなどに相談」と書いてありました。

 私も最初に書いたように、マンションを管理している会社にお願いして、何度か張り紙をしていただきました。

何度目かでやっと、騒音元の住人が「自分のことだ」と気づいたようでした。

おかげで明け方などの早すぎる時間帯の騒音は減りました。

同時に私の方では今回の方法を見つけて、騒音がしていても眠れることが増えました。

 私が欲しい結果は「快適に眠ること」であり、「相手を懲らしめること」ではありません。

もし相手を懲らしめることができても、その後相手からの報復に怯え続けることになれば、それこそ安心して眠ることができませんので、今のところこれで妥協しています。

本音を言えば、騒音元の方には静かな洗濯機に買い替えて頂きたいですが。

 しかし、ここまで書いて何ですが、私はこの方法の発見以外に、別のあることに気がついてからも騒音に腹が立たなくなっていきました。

それは不思議なことに、私が早起きした方がいい日に限って騒音が発生するということです。

私は朝が遅いのですが、ときどきの騒音を利用して早起きしています。



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